国民年金と厚生年金は別の制度で、保険料や脱退一時金の計算方法も異なります。どちらか一方または両方の記録があっても、制度別の最低期間を確認する際に単純合算することはできません。まず適用記録を確認し、混在・不明の場合は概算ではなく公式記録を確認してください。
国民年金と厚生年金保険の比較
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| 確認項目 | 国民年金 | 厚生年金保険 |
|---|---|---|
| 通常の加入形態 | 自営業者、学生、無職の方などの第1号被保険者が中心。任意加入期間が関係する場合もあります。 | 適用事業所で加入条件を満たす従業員。老齢基礎年金との関係では国民年金の仕組みにも参加します。 |
| 脱退一時金の計算対象期間 | 第1号または任意加入被保険者としての所定の納付済期間と、一部免除期間を割合換算した期間。 | 厚生年金保険の被保険者期間と、公式ルールで定める関連する被用者年金期間。 |
| 6か月の確認 | 国民年金の換算後の月数だけで6か月以上必要。 | 厚生年金保険の対象期間だけで6か月以上必要。 |
| 支給額の基礎 | 最後に保険料を納付した月が属する年度の保険料額と、期間区分に応じた公式計算。 | 平均標準報酬額と、保険料率・被保険者期間区分に基づく支給率。 |
| 36/60か月の計算上限 | 最後に保険料を納付した月を基準に確認。 | 加入期間の最終月を基準に確認。 |
| 支給時の源泉徴収 | 国民年金の脱退一時金から所得税は源泉徴収されません。 | 非居住者への支給時に20.42%が源泉徴収され、別途還付申告が可能な場合があります。 |
| 確認すべき記録 | 第1号・任意加入期間、納付済月、一部免除、未納月、最後の納付月。 | 加入月、標準報酬月額、標準賞与額、加入期間の最終月。 |
二つの制度の関係
日本の公的年金は二階建ての構造です。国民年金が基礎年金の土台となり、加入条件を満たす会社員・公務員などには厚生年金保険が上乗せされます。そのため、厚生年金保険の加入者が国民年金と完全に無関係になるわけではなく、老齢基礎年金との関係では二つの制度に加入します。
ただし、制度全体のこの関係は、脱退一時金の計算を一つにまとめるという意味ではありません。国民年金分と厚生年金保険分では、対象期間、最低期間の確認、支給額の計算式が異なります。
国民年金の脱退一時金
国民年金の脱退一時金で対象になるのは、日本に住んでいた全期間や将来の基礎年金に関係しうる全期間ではありません。公式計算では、請求日の前月までの第1号被保険者としての所定期間を用い、該当する場合は任意加入期間も含みます。
最低期間の月数には、保険料納付済月と、一部免除期間を所定割合で換算した月数を用います。未納月を納付済月として扱うことはできません。公式の支給額計算は、最後に保険料を納付した月が属する年度の保険料額、2分の1、期間区分に応じた支給額計算に用いる数を使用します。
計算上限は最後に保険料を納付した月を基準にします。2021年3月以前なら旧36か月上限が適用される場合があり、2021年4月以降は60か月上限です。月数の役割は6か月・60か月・120か月のガイドで詳しく確認できます。
厚生年金保険料は給与によって変わる
日本で会社員として働いていた場合、給与から一般に控除されるのが厚生年金保険です。個人の貯金口座ではなく、社会保険制度として所定の条件で給付されます。
厚生年金保険料は報酬に応じて決まります。
- 給与が高いほど保険料も高くなる
- 一定の給与区分(標準報酬月額)で計算される
- 会社と本人でほぼ半分ずつ負担する
毎月の控除額は変動する
保険料は一度決まったら固定ではありません。
- 給与が変わると保険料も変わる
- 定期的な見直し(算定)で調整される
- 収入に応じた負担になる仕組み
賞与(ボーナス)からも控除される
厚生年金保険料は、月給だけでなく賞与にも適用されます。
- ボーナス支給時にも保険料が控除される
- 総支払額ベースで負担が増える
厚生年金でカバーされる内容
厚生年金は老後のためだけの制度ではありません。
- 老齢年金(退職後の収入)
- 障害年金
- 遺族年金
老齢、障害、遺族の各給付にはそれぞれ公式な条件があります。脱退一時金の判断で、将来のすべての給付を同じ条件として扱わないでください。
厚生年金の脱退一時金
厚生年金保険の脱退一時金は、被保険者期間の平均標準報酬額と支給率から計算されます。標準報酬月額と標準賞与額は平均標準報酬額に関係し、保険料率と被保険者期間区分は支給率に関係します。
本人や会社が支払った保険料を単純に全額返す制度ではありません。計算上限は加入期間の最終月を基準とし、2021年3月以前なら旧36か月上限が適用される場合があり、2021年4月以降は60か月上限です。
両方の加入期間がある場合
国民年金と厚生年金保険の両方の期間があることだけで、申請不可になったりPenPosの確認対象外になったりするわけではありません。それぞれの期間、6か月条件、支給額を別々に確認します。
国民年金4か月+厚生年金保険4か月を、6か月条件のための一つの8か月として扱うことはできません。日本年金機構は、この二つの制度間で期間を合算せず、それぞれの制度期間に基づいて支給額を計算すると案内しています。
一方、老齢年金の受給資格期間120か月の確認では、国民年金、厚生年金保険、合算対象期間、適用される社会保障協定の期間通算が関係する場合があります。この120か月の確認を、制度別の6か月条件の単純合算に使わないでください。
源泉徴収の違い
非居住者が厚生年金保険の脱退一時金を受け取る際は、20.42%の所得税が源泉徴収されます。別途の申告で還付を受けられる場合があります。国民年金の脱退一時金からは、支給時にこの源泉徴収は行われません。
別途の申告手続と注意点は、厚生年金の脱退一時金後に行う税還付のガイドをご確認ください。還付は自動ではなく、保証されるものでもありません。
確認すべき記録
- 基礎年金番号と公式加入記録:概算の前に制度と期間をすべて特定します。
- 国民年金記録:第1号・任意加入期間、納付済月、一部免除、未納月、最後の納付月を区別します。
- 厚生年金保険記録:加入月、標準報酬月額、標準賞与額、加入期間の最終月を確認します。
- 受給資格期間の記録:120か月に関係する合算対象期間や期間通算を別に確認します。
申請書類ガイドでは一般に必要となる記録や情報を整理しています。その他の条件は受給要件の全体ガイドをご確認ください。
年金を受け取る条件と仕組み
老齢年金の受給資格は、脱退一時金の6か月条件とは別の問いです。公式な受給資格期間には、異なる日本の年金期間に加え、個別事情により合算対象期間や期間通算が含まれる場合があります。概算の勤務期間は公式な受給資格期間の記録ではありません。
請求時点の受給資格期間が120か月以上であると日本年金機構に確認された場合、脱退一時金は請求できません。短い期間や混在する記録だけから自動的に対象と判断しないでください。
よくある誤解
- 二つの制度を足して6か月にする。制度別の最低期間は別々に確認します。
- 二つの支給額計算は同じだと考える。国民年金と厚生年金保険では支給額の基礎が異なります。
- 厚生年金は保険料全額が戻ると考える。平均標準報酬額と支給率による公式計算を使用します。
- 国民年金にも20.42%の源泉徴収があると考える。この源泉徴収の区別は厚生年金保険の脱退一時金に関するものです。
- 両制度の期間があると申請できないと考える。混在記録は別々に確認し、自動的な対象外にはしません。
- 60か月と120か月を混同する。60か月は支給額計算上限、120か月は老齢年金の受給資格期間に関係します。
将来の年金を受け取れない場合はどうなる?
日本を離れても保険料が自動的に返されるわけではありません。別々の公式条件を満たす場合、脱退一時金を請求できる可能性があります。受給すると、請求前の日本の年金加入期間はすべて、将来の日本の年金の受給資格期間、年金額の計算または期間通算に使用できなくなります。そのため、一時金を選ぶ前に記録確認が必要です。
記録に基づく個別確認が必要ですか?
制度、公式な加入期間、受給資格期間が不明な場合、PenPosはサービス範囲内かを確認できます。確認・受任、受給資格、支給、税還付を保証するものではありません。
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判断には最新の公式情報とご自身の年金記録をご利用ください。
- 国民年金と厚生年金保険の関係 — 日本年金機構
- 制度別の脱退一時金要件と計算 — 日本年金機構
- 国民年金の支給額計算Q&A — 日本年金機構
- 厚生年金保険の支給額計算Q&A — 日本年金機構
- 制度間の非合算と混在期間のQ&A — 日本年金機構
- 36か月から60か月への上限変更Q&A — 日本年金機構
- 公式の脱退一時金請求書・説明(英語・日本語PDF)
- 厚生年金脱退一時金にかかる所得税 — 国税庁
この記事は一般情報であり、法律・税務・年金に関する個別助言ではありません。取扱いは公式記録と適用ルールにより異なります。公式判断は日本年金機構と関係税務当局が行います。PenPosによる確認・受任、受給資格、支給または税還付を保証するものではありません。